MODO
Occlusion shading / オクルージョン・シェーディング
modo 501ではオクルージョン・シェーディングが、マテリアル・レイヤーに追加された。
これはオブジェクトの隙間など閉鎖領域に対して陰を描く機能で、401以前にも「Render Output」-「エフェクト」内に搭載されていたが、ノイズが多く使い勝手が悪かった。
今回からはマテリアルごとに調整が可能になり、陰影や風化などを強調したシーンを作成することが出来る。ただし帯域照明とは別プロセスで描かれるので、設定には注意が必要。
「レイヤー追加」から、「Processing」-「Occlusion」で追加できる。
これは、「Occlusion」レイヤーなしの画像。
「ブレンドモード」を「乗算」に、その他デフォルト設定のままでレンダリング。
「ブレンドモード」を「乗算」に、その他デフォルト設定のままでレンダリング。
「分散」を100%に、色1の「アルファ」を25%にした画像。
こちらは「Occlusion」レイヤーなしの画像。
こちらは「Occlusion」あり。壁や床の取り合いなどに陰影が描かれる。
GI(帯域照明)を使っても陰が乏しく、オブジェクトに接地感が足りない内観シーンなどでは、補助的にオクルージョンを使用することにより、シーン全体の精度を上げずにメリハリのある画像が作成可能になったといえる。
Edge Contour rendering / 輪郭線
modo 501 では シェーダーツリー内の「最終カラー出力」レイヤーに「輪郭」プロパティが追加された。
「輪郭」では、「サーフェイス境界」と「セグメント境界」を選べ、線幅、色、距離減衰が設定できる。
オリジナル形状 Jean Prouve作の Standard Chairと背景を用意。
「サーフェイス境界」を設定し、レンダリングすると上記画像のような輪郭が描かれる。プレビューでは描画されないので注意。
交差している脚部および、先端部には輪郭が表示されていないので、脚部を別アイテムに、先端部を別マテリアルに設定すると輪郭が描かれる。
全マテリアルを非表示にして、「アンビエントライト」-「アンビエント輝度」の数値を極端に上げると線画のみ描かれる。
今回の追加機能ではパスラインの抽出までサポートされていないので、Illsutratorで利用するには再度トレースする必要がある。そこで画像をIllstratorに渡し、ライブトレースを行う。トレースオプションは上記のような設定で行った。
「拡張」を行うと、パスラインが簡単に抽出される。今回追加された「輪郭」オプションは、トゥーンレンダリング(Toon rendering)として期待されている機能は非常にシンプルで、ユーザー側の工夫が必須。ただし建築やプロダクトなどプレゼン前の線画抽出には必要十分な追加機能といえる。